おそらくこの記事を読んでいるひとの中にも、「印刷営業を辞めたい」と思っているひとは少なくないでしょう。
印刷営業を辞めたい!
私自身も、過去に印刷営業で働いていた経験があるので、印刷営業の辛さはよくわかります。
他の仕事も大変かもしれませんが、印刷営業の仕事も本当に大変です。
新規の飛び込み営業が辛い
印刷営業は、新規の飛び込み営業をすることがあります。
私は、新人営業の頃は、新規の飛び込み営業ばかりやらされました。
新規の飛び込み営業をしたひとなら分かると思いますが、アポなしで初めての会社に飛び込み営業をするのは、相当な勇気がいります。
誰が出てくるかもわからないですし、飛び込み営業をしたら、怒鳴られるかもしれません。
不安と緊張で、いやな汗をかき、足が震えることがあります。
実際に、怒鳴られたこともありますし、軽蔑するような眼差しで見られたり、鼻で笑われることもしょっちゅうありました。
しかも、そうやって飛び込み営業で嫌な思いをしても、仕事がもらえないことが殆どです。
それでも、仕事がないと売り上げが得られないので、新規の飛び込み営業をやめることはできません。
また、仕事中はスーツでの移動なので、真夏は汗をびっしょりかき、汗臭く気持ち悪いですし、真冬はいくらコートを着ていても震えるほど寒いです。
これほど新規の飛び込み営業で辛い思いをして頑張っても、門前払いで全く相手にされないときは、「自分の存在を認めてもらえない」ような気持ちになり、本当に辛かったです。
やることが多い
また、印刷営業はとにかくやることが多いです。
営業だけではなく、校正や印刷スケジュールの手配及び進行管理、資材の仕入れ、納品など、様々なことをしなければなりません。
特に、中小の印刷会社ほど、印刷営業の仕事の範囲は大きく、営業だけしていれば良いわけではないので、やることが多いのです。
クレームを受けることは日常茶飯事
印刷業界では、クレームを受けることはよくあります。
また、何かトラブルやクレームが起きた場合は、営業が責任を取らなければいけません。
印刷業界では、データ修正や校正、印刷段階でもミスが起きやすいのです。
どんなに注意深く作業をしていても、ちょっとしたことを見逃して、クレームを受けることはよくあります。
どんなに優れた営業でも、どこかでミスが起きてしまうことがあるのです。
また、たとえ制作部や印刷担当者のミスであっても、結局お客さんとやりとりしているのは営業なので、営業がお客さんに謝り、責任を取らなければなりません。
矢面に立つのは、常に営業なので、トラブルやクレームも営業がうまく対応しなければならないのです。
クレームをもらうときは、お客さんからすぐに連絡が入ります。
なので、印刷物の納品直後にお客さんから連絡をもらうときは、ものすごくドキドキします(クレームではなく、ただの追加注文のときもありますが)。
この記事を書いていても、当時の胃が痛くなるような気持ちを思い出します。
残業が多く、休みが少ない
印刷営業は、とにかくやることが多いので、残業も多いです。
私が印刷営業のころは、定時で帰れることは、まずありませんでした。
むしろ、定時で帰ろうものならば、売り上げのない営業と見られ帰りづらい環境でした。
それに、印刷営業をしていたころは、土曜日も出勤していて、休みは日曜日のみでした。
しかも、急な印刷物の発注を受けると、納期まで時間がないので、日曜日も出勤していたことがあります。
このように、印刷営業は残業も多く、休みは少ないのが当たり前なのです。
会社の規模によって仕事量も違う
また、おそらく会社の規模によっても、仕事量は違ってくるでしょう。
もしかすると、大きい会社の方が、より仕事は各部署で細かく分けられていて、仕事の範囲も限定されているかもしれません。
ちなみに私は、中小の印刷会社で働いていたので、とにかく仕事の範囲も広く、やることが多かったです。
やることが多いので、常に気をつけていないと、ちょっとしたことで大きなミスに繋がってしまうプレッシャーがありました。
ノルマがきつい
また、営業は厳しいノルマが設定されることがあります。
私も毎月厳しいノルマを設定されていました。
売り上げ報告では、売り上げだけではなく、減価率や利益率も厳しくチェックされました。
単に仕事を取ってくれば良いわけではなく、日々売り上げや利益を気にしながら、営業してきました。
パワハラを受ける
また、もしノルマが達成できない場合は、上司から激しく詰められることがありました。
どんなに忙しく働こうとも、営業は数字が全てなので、数字が良くないと認められないのです。
なので、売り上げが悪い営業は、上司からパワハラを受けることもあります。
営業は売り上げによって格付けされ、常に営業内でのヒエラルキーが存在していました。
売り上げ上位の営業は好待遇で扱われ、下位の営業は人権侵害になりかねないほどの酷い扱い(罵倒などのパワハラ)をされることがあります。
営業は、汗水垂らして一生懸命働こうとも数字で成果を出さなければ、酷い仕打ちやプレッシャーをかけられることがあるのです。
だからこそ、営業をやりたがらないひとも多いです。
印刷営業をしている当時は、制作や印刷現場のひとたちから、
給料は一向に上がらない
そして、どんなに辛い思いをして一生懸命働いても、なかなか給料は上がりません。
私も、休日返上して働いても、手取り18万円にも届きませんでした。
どんなに残業しようとも、当時の会社は残業手当が一向につきませんでした。
おそらく営業の私よりも、定時で帰る現場の人間の方が給料は良かったでしょう。
また、たとえノルマを達成していたとしても、長い期間、会社に相当貢献しない限りは、なかなか給料は上がらない状態でした。
安月給で休みもなく深夜まで働いて、「何の意味があるのか」当時はよく思っていました。
「辞めたい」と思ったら辞めても良い!
このように、私も実際に経験しているからわかるのですが、印刷会社の営業はかなりハードで大変です。
ひとによっては、身体を壊してしまう可能性もあります。
印刷営業を経験し、また転職したからこそ分かるのですが、「辞めたい」と思ったら、辞めても良いと思います。
上司の言うことは必ずしも正しくない
おそらく、会社の上司は辞めることに対して、否定的に言うかもしれません。
「お前にはまだ早い」「今辞めてもどこにも通用しない」など、いろいろ言われることがあります。
私自身も会社に「辞めたい」と言うと、上司からそう言われました。
ただ、辞めて本当に良かったです。
辞めたことで、いろいろな世界を見ることができました。
辞めると、世の中は印刷業界だけではなく、様々な仕事があることが、よくわかります。
今の仕事が全てではありません。
また、上司の言うことは必ずしも正しくはなく、結構間違っていることも多いので、あまり信用しなくて良いと思います。
「石の上にも三年」説は信じなくて良い
当時、私は「石の上にも三年」と上司からよく言われていました。
簡単に言うと、「とりあえず三年仕事を続けよ」ということです。
確かに、三年印刷営業を続けると、ある程度仕事ができるようになります。
しかし、それでも辛いものは辛く、好きでない仕事は好きになれないのです。
個人的には、三年嫌々仕事を続けるくらいならば、すぐやめて興味ある仕事に転職した方が良いと思います。
世の中の上司の中には、「三年続けられない人間は、他の仕事も続けられない」という見方をするひともいますが、三年間好きでもない仕事をするのは、人生の無駄のようにも思います。
興味ある仕事に転職した方が、さらに成長できる可能性があり、本人にとっても良いでしょう。
なので、「石の上にも三年」説は、信じなくても良いと思います。
印刷業界は決して安泰ではない
それに、印刷業界は決して安泰ではありません。
今後もペーパーレス化は進み、仕事が減っていく可能性は十分にあります。
紙媒体が完全になくなることはないかもしれませんが、母数が減っていくとなると、仕事の取り合いもさらに激しくなるでしょう。
そうなると、ますます印刷会社の生き残りをかけた戦いは激しくなり、今の仕事を続けていくのは難しくなっていきます。
これまでと同じような仕事をしているだけでは経営も厳しく、印刷業界もさらなる変化が必要になります。
仕事にやりがいを見出せないなら辞める
もし、印刷営業の仕事にやりがいを見出せないなら、辞めても良いと思います。
私は、どんなに仕事が辛くてもやりがいがあれば、乗り切ることができます。
ただ、印刷営業にはどんなに頑張ってもやりがいを感じられなかったので、結局辞めることにしました。
そして、やりがいのある仕事を見つけることができたのです。
やりがいが得られる仕事を選ぶと、モチベーションが違います。
それまで、印刷営業をしていたときは、全くやりがいを感じられず、むしろ好きな仕事ではなかったので、前向きにはなれませんでした。
しかし、やりがいのある仕事を見つけたことで、前向きになれ、積極的に仕事に打ち込めるようになったのです。
どういう仕事にやりがいを持てるかは、ひとの価値観や考え方によって違います。
もし、いま現在印刷営業の仕事を嫌々しているのであれば、転職を検討してみても良いのではないでしょうか。
転職活動は動いてみないとわからない
「印刷営業から転職できる自信がない」と言うひともいますが、やってみないことにはわかりません。
実際、私も転職してみて頑張った結果、印刷業界とは全く違った業界に、未経験でも転職することができました。
なので、まずは転職活動をしてみることです。
転職活動してみないことには、自分が希望する仕事に転職できるかどうかもわかりません。
転職活動をするなら、転職エージェントに相談してみると良い
また、もし転職活動をするならば、転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
転職エージェントに相談することで、転職に関する様々なノウハウや情報を手にすることができます。
転職するかどうか迷っているひとも、まずは転職エージェントに相談してみると良いでしょう。
これまでの営業経験は他の仕事でも役立つ
また、これまでの営業経験は、他の仕事でも結構役に立ちます。
私自身も、最初は「印刷営業の経験は他の業界では役に立たないのではないか」と思っていたのですが、実はよくよく考えていくと、他の業界(営業の以外の仕事)でも共通する部分はあったのです。
なので、もし興味ある仕事があれば、印刷営業の経験と共通する部分はないか、意識して考えてみると良いでしょう。
もしかすると、次の仕事でも生かせられる経験はあるかもしれません。
我々は会社の奴隷ではない
印刷会社で辛い思いをしながら働いていたときは、まるで会社の奴隷のように、嫌々仕事をしていました。
しかし、私たちは奴隷ではありません。
仕事を選ぶ権利もあります。
なので、もし印刷営業の仕事が辛く辞めたいと思うのであれば、辞めても全然良いのです。
むしろ、やりがいを感じられる仕事を選んだ方が、人生も楽しくなるでしょう。
辛い思いをすること(苦行)が良いわけではありません。
自分の人生を切り開くためにも、前向きに転職も検討してみると良いでしょう。