実際に、印刷会社で営業をしてきた経験があるので、印刷営業について詳しく説明していきたいと思います。

印刷会社の営業の仕事内容とは?

印刷会社の営業の仕事内容とは?

印刷会社の営業は、ただ営業活動をすれば良いわけではなく、いろいろとやることがあります。

制作や印刷工程を知る

印刷業界は、ある意味で特殊な業界でもあり、普通のひとはなかなかわからないことも多いです。

なので、いきなり印刷会社で営業をしようとしても、業界未経験のひとは、すぐに印刷会社で営業できないこともあります。

経験のないひとが、突然印刷会社で営業をするのは難しいので、まずは制作や印刷工程を知ることが大事です。

印刷会社によっては、研修期間として制作や印刷工程をまず学ぶことから入る場合もあります。

また、若い新人営業の場合は、配送をさせられることもあります。

そういう経験をすることで、徐々に印刷について知ることができます。

何も経験がないひとが、いきなり印刷営業を始めても、何をすれば良いのかわからないことも多いのです。

見積もり方法を学ぶ

見積もり方法を学ぶ

そして、印刷営業で大変なのが、見積もりのやり方です。

これは、素人のひとは、すぐに印刷の見積もりをするのは、ほぼ無理だと思います。

なぜならば、印刷業界の見積もりは、色数やページ数、使用する紙の種類にもよって、見積もり方法や金額も全然違ってくるからです。

印刷には、紙サイズがあり、サイズにより印刷できるページ数も違ってきます。

特に、冊子の見積もりになると、より複雑な見積もりになるので、何もわからないひとがすぐに見積もりをできるわけではないのです。

しかし、見積もりができなくては、印刷営業をするのは難しいので、先輩などに印刷の見積もり方法を学ぶ必要があります。

仮の印刷見積もりを何度も作成して、答え合わせをしてもらい、印刷の見積もり方法を覚えていくことです。

印刷の見積もり方法を覚えるためには、何度も見積もりをするしかありません。

また、値段にも相場というものがあります。

あまりに高いと仕事が取れませんし、また安すぎると赤字になることもあるので、適正価格を覚える必要があります。

印刷営業をしていく上で、最初の関門となるのは、この見積もりの仕方だと思います。

私自身も、印刷営業を始める上で、この見積もり方法はとても苦戦した記憶があります。

新規獲得のための営業

そして、印刷営業で他にも大変なのは、新規営業です。

印刷会社によっては、新規獲得に向けて電話営業や飛び込み営業を強いられることもあります。

特に、新人営業の場合は、顧客を持っていないので、新規営業させられることも多いのです。

しかし、実際に営業してみるとわかりますが、簡単に仕事をもらえるわけではありません。

新規営業で何度も断られて、心が折れることはしょっちゅうあります。

それでも、新規顧客獲得に向けて、営業活動を続けなければならないのです。

あまりに営業で断られすぎると、自分の存在価値も否定されているような気分にもなります。

仕事をもらってからがスタート

そして、新規営業は仕事をもらうことが目標ではありません。

仕事をもらってからが、スタートなのです。

いくら新規営業で仕事がもらえても、その後に良いパフォーマンスをしなければ、その後は続きません。

継続して仕事がもらえるようになるためにも、仕事をもらってからこそが、信頼を築くためのスタートなのです。

仕事をもらえたことに安堵するのではなく、せっかく仕事を新規でもらえたので、良いパフォーマンスをする必要があります。

お客にとっても、新規で仕事を依頼することは、これまでやりとりをしたことがない分、実績もわからないので、とても勇気が要ることなのです。

既存客への営業

印刷営業で売り上げを上げるためには、新規営業だけではなく、既存顧客へのフォローも大切です。

新規顧客を見つけるよりも、既存顧客から仕事をもらう方が、難しくなく安定した売り上げが見込めます。

ですから、既存顧客を失わないためにも、日常的にフォローしておくことが大事です。

世の中の多くの営業は、既存顧客での売り上げで成り立っていることが多いです。

しかし、既存顧客にばかり頼りすぎると、ゆくゆくは売り上げが減少していく可能性が高いので、既存顧客を大切にしつつも、新規営業にも目を向ける必要があるでしょう。

見積もり作成

印刷営業をしていると、非常に多くの見積もりをすることになります。

その中には、見積もりをしても仕事がもらえないこともあります。

むしろ、仕事がもらえる方が少ないかもしれません。

それほど、印刷営業は仕事にならない見積もりをすることが多いのです。

しかし、見積もりをしない限りは、なかなか仕事はもらえないので、日々見積もりを行うことになります。

見積もりをする上で大切なのは、本当に相手が仕事を頼む気があるかどうかです。

最初から頼む気がないのに、ただ見積もりをさせられているだけならば(当て馬として使われている)、それほど力を入れて見積もりをする必要はないのです。

見積もりをするにしても、本気で仕事を取りたいのか、そうではないのか、考えながら見積もりをするのも大事です。

制作への指示

制作への指示

営業は、顧客からもらったデータをもとに、制作に指示を出していきます。

今は、データ入稿がほとんどなので、営業が制作とやりとりすることも多いです。

ただし、顧客によってはデータに不備があることがあります。

そういうときは、制作から不満を言われることもあるのですが、営業は顧客と制作の間に立ち、印刷に適したデータにします。

校正確認

また、印刷する前に、営業も校正確認することがあります。

ここで誤字があると、後で刷り直ししなくてはならなくなります。

なので、しっかり校正確認する必要があるのです。

校正確認は、忙しい営業の合間をぬって行うので、非常に神経も使い疲れる仕事でもあります。

印刷スケジュール管理

あとは、基本的に営業が印刷スケジュールの管理を行うので、印刷の流れもしっかり把握しないといけません。

特に、繁盛記となると、印刷作業が混み合い、なかなか自分の仕事の印刷が進まないこともあります。

仕事は取ってきて終わりではなく、その後にどううまく動かすかが大事なのです。

工場とのやりとり

工場とのやりとり

あとは、営業は工場とのやりとりもあります。

顧客から色について、難しい要求を受けた場合などは、工場のひととやりとりすることもあります。

また、顧客から無理な要求を言われたら、工場からも不満を言われることもあります。

営業は、顧客と印刷オペレーターとの間でも、うまく立ち振る舞いしなければならないのです。

トラブル対応

そして、営業をしていて多いのが、トラブル対応です。

紙が届かなかったり、顧客が注文内容を急に変更するということもあります。

そういう場合でも、営業が冷静に対応することが必要です。

納品

納品

また、少ない印刷物であれば、営業が自ら納品することもあります。

特に、雨の日は紙が痛む原因にもなるので、気を使いながら納品する必要があります。

クレーム対応

そして、もっとも大変なのが、クレーム対応かもしれません。

やはり、印刷物なので文字の間違いなど起こりやすく、顧客からクレームをもらうこともあります。

そうなると、すぐに刷り直ししなくてはなりません。

追加の費用はもちろんもらえないので、赤字覚悟で刷り直すしかありません。

時には、減俸処分になったり、顛末書を書かされることもあります。

納品した直後に、納品先から連絡が入ると、特にクレームではないかと、緊張します。

どの印刷営業も、少なからずクレーム対応はすることになるでしょう。

売り上げ管理

売り上げ管理

あとは、営業は仕事を受けて納品するだけではなく、売り上げ管理も行う必要があります。

毎月いくら売り上げ、利益はいくらなのか、把握します。

営業によっては、売り上げはあっても、利益が少ないこともあるのです。

会社の利益を上げるためにも、売り上げ管理をすることは、とても重要なことなのです。

営業会議

そして、印刷営業には、営業会議というものがあります。

ここでは、毎月の売り上げや利益を報告します。

ノルマ達成できているかも見られ、順位付けされることがあります。

パワハラ

パワハラ

営業は、特に実力社会なので、成績が良い営業は会社から評価されますが、成績が悪い営業は、上層部から叱責などパワハラを受けることもあります。

数字でしか評価されないので、苦しい思いをすることも多いのです。

特に営業は、辛い思いもするので、他の部署に比べても、離職率は高めです。

残業・休日出勤

また、下請けが多い印刷会社だと、単価も安いので多くの案件を扱わなければいけず、急な仕事が入り、休日出勤を強いられることもあります。

営業は、仕事量も多いので、当然残業も多くなります。

しかし、いくら残業しても、残業代は発生せず、サービス残業を強いられることも多いのです。

将来性

将来性

印刷会社の将来性という意味では、なかなか今後厳しい状況が続くのではないか、と予想されます。

やはり、印刷の仕事も減ってきてはいるので、これまで通りの仕事を続けても、生き残るのは難しいこともあるでしょう。

特に、中小企業の場合は、少ないパイの中で争うとなると、厳しいものがあるかもしれません。

臨機応変な対応や強いメンタルが必要

印刷会社の営業は、仕事量も多く、クレーム対応なども行わなければならないので、臨機応変な対応力と強いメンタルが必要になるでしょう。

慎重に仕事をすることも大事ですが、新規顧客獲得に向けた行動力も大切になります。

メンタルが弱く、忍耐力がないと、なかなか印刷営業を続けていくのは、難しいかもしれません。

印刷営業はとても大変

印刷営業はとても大変

印刷営業は、とにかく大変です。

残業も多いので、体力勝負といったところもあります。

見積もりや顧客との対応を学ぶためにも、強いメンタルが必要になるでしょう。

仕事を覚えるためにも、まずは先輩の下について、先輩の仕事を見て覚えることです。